財務省、電源立地地域対策交付金制度の見直しを示す

2015年11月11日

 財務省の財政制度等審議会の分科会は11月10日、エネルギー関係予算について議論した。原子力関連では、多くのプラントが停止する中、規制基準をクリアした発電所の再稼働が進みつつあり、一方で高経年炉の廃炉に具体的進展がみられるなど、原子力発電所を取り巻く各立地自治体の違いが顕著になっていることから、立地地域の実態に即した交付金制度の見直しなどが論点としてあげられた。
 具体的には、電源立地地域対策交付金について、(1)交付金本来の趣旨に鑑みて廃炉を決定した原子力発電所については適切に交付金支給を停止、(2)立地地域の実態をより適切に反映させる観点から停止している原子力発電所に対する「みなし交付金」を引き下げる――という方向を示すとともに、交付金への依存度が高い自治体に対しては、時限的な位置付けとして一定の激変緩和措置も必要だとしている。
 経済産業省は、次年度概算要求で、電源立地地域対策交付金として、前年度比約5%減の868.9億円を計上している。