経団連、インフラ海外展開提言で日印原子力協定締結の必要述べ
日本経済団体連合会は11月17日、政府のインフラ輸出戦略が官民連携で着実・的確に進められるよう、民間企業へのアンケート調査により関心国・地域や関心分野、克服すべき課題について取りまとめた提言を公表した。6月に改訂された政府の「日本再興戦略」では、インフラ需要の旺盛なアジアからの日本に対する期待を述べ、「官民が協力した総合的な推進体制」を構築し取り組んでいく考えを打ち出している。
提言では、最大の関心地域としてアジアをあげ、既に日本企業が進出しているインドネシア、ベトナム、ミャンマー、インドの他、バングラデシュ、パキスタンも、多くの人口を擁し、将来的に有望な市場となり得るとしている。また、関心分野としては、企業が立地し事業展開する上で不可欠な物流インフラ(鉄道、港湾、空港など)、周辺インフラ(通信、アクセス道路、上下水道・浄水など)、電力・送電インフラなどをあげた上で、日本として、トップセールスを継続することで、技術の優位性への理解を促進するとともに、コンサルタントの派遣により日本の規格を浸透させていくといった戦略的取組の必要性を述べている。
国・地域別に、具体的関心分野で原子力発電があげられたのは、ベトナム、インド、中東、トルコ、ロシア・NIS、米国、カナダ、欧州で、特に、インドについては、一次エネルギー消費の大半を占める石炭火力の技術支援とともに、安定的な電力供給に貢献するものとして、原子力発電に関する協力に向けて、直近の日印首脳会談に合わせ、原子力協定を締結することが求められるとしている。