NAC社 米国で初めて高レベル放射性廃棄物の屋外乾式貯蔵に成功

2015年11月20日

 日立造船は11月19日、子会社である米国のNACインターナショナル社がこのほど、ニューヨーク州ウェスト・バレー再処理工場での「ウェスト・バレー実証プロジェクト(WVDP)」において、高レベル放射性廃棄物を屋外の乾式中間貯蔵施設へ輸送し貯蔵することに米国で初めて成功したと発表した。
 ウェスト・バレー再処理工場は、ニュークリアフュエル・サービシーズ(NFS)社が1966年から1972年まで運転していた米国唯一の使用済み核燃料の商用再処理施設で、1980年に米エネルギー省(DOE)に移管されてWVDPが開始された。
 今回の取り組みは、同工場内にガラス固化状態で275基のキャニスタに2002年より収納・貯蔵されている約2,300立方メートルの高レベル放射性廃棄物を屋外の乾式中間貯蔵施設へ輸送して貯蔵するもの。NAC社は11月10日に、最初のキャニスタ5基をステンレスオーバーパックに移し、同貯蔵施設への輸送および据付に成功した。
 屋外の乾式中間貯蔵施設は、NAC社が供給する55基の縦置き型貯蔵キャスクから構成される予定で、現在16基の据付けが進められており、2018年までに275基すべてのキャニスタが輸送・貯蔵される。
 日立造船は2013年にNAC社を子会社化し、キャスク・キャニスタのコンサルティングから設計・製造・輸送に関わる一体型ソリューション体制を整えている。