三菱重工、原子力災害に対応するパワーアシストスーツを開発

2015年12月2日

 三菱重工業は12月1日、日本原子力発電と共同で作業員の力を約40kg分補助できるパワーアシストスーツ(PAS)を開発したと発表した。ベースとなる下半身パーツと目的に応じた上半身パーツを組み合わせることで多様な作業に対応できる。
 原子力災害発生時、放射線環境下では遠隔操作ロボットの活用も期待されているが、ロボット操作が可能となるまでの運搬作業や、緊急時の迅速かつ柔軟な対応には、人間が被ばくを避けるための重厚な遮蔽スーツを装着し重作業を行う必要があるため、今回のPAS開発に至った。
 三菱重工業によると、このPASは、一般に用いられている筋電位などの生体情報によるものと比べ、足裏の力センサー信号を利用したPAS制御と、腰部と足部のみで人間とPASを固定する構造を採用することで、重労働でも汗の影響を受けない信頼性、容易な着脱を実現したという。足裏の力センサーは、数・配置を最適化することで作業員の動作を適切に読み取り、その動作を妨げない優れたアシスト制御を実現した。