馳文科相、「もんじゅ」視察受け「資源のない日本だからこそパイオニア精神を持って」
馳浩文部科学大臣は12月4日の閣議後会見で、2日の日本原子力研究開発機構「もんじゅ」視察および立地自治体との会談に関する質問に対し、「資源のない日本だからこそパイオニア精神を持って取り組むことも大事」などと述べ、「もんじゅ」については、長期的なエネルギー安定供給に貢献する高速増殖炉サイクル技術開発の中核として、克服すべき課題に対応していく必要を示唆した。
「もんじゅ」を巡っては、保守管理不備問題の頻出により11月13日、原子力規制委員会から所管官庁の長である文科相に対し、概ね半年を目途に、(1)機構に代わる者を具体的に特定する、または、(2)安全上のリスクを明確に減少させるよう「もんじゅ」のあり方を抜本的に見直す――ことを求める勧告文書が発出されている。文科省では、これに対処すべく近く検討会議を立ち上げることとしている。
一方、原子力機構は、規制委による勧告に関し、保守管理プロセス総合チェックや保全計画の抜本見直しなど、改善に全力をあげるとしているほか、1日に都内で開催された報告会で、ウラン資源の有効活用や環境負荷低減の観点から、「もんじゅ」を活用した研究開発の必要を強調している。