原子力機構、廃炉国際共同センターの中核「国際共同研究棟」の立地場所が決定
日本原子力研究開発機構は12月15日までに、福島第一原子力発電所の安全な廃止措置の推進に向け、国内外の英知を結集する拠点となる廃炉国際共同センターの中核「国際共同研究棟」の立地場所を決定した。同施設の立地については、2015年8月、福島県知事と富岡町長の要望を受けて、富岡町内に整備することが既に決まっていたが、このほど、同町から示された地点「大字本岡字王塚」の約1.2ヘクタールの場所に建設することとなったもの。2017年3月のしゅん工を目指す。
原子力機構は、文部科学省が2014年に公表した廃止措置研究開発に係る加速プランの実現に向け、2015年4月に廃炉国際共同センターを設置し、(1)国内外の英知を結集する場の整備、(2)国内外の廃炉研究の強化、(3)中長期的な人材育成機能の強化、(4)情報発信機能の整備――に向け取り組んでいる。「国際共同研究棟」は、その研究活動の中核的拠点となる施設で、国内外の幅広い分野から研究者が参画し、福島第一原子力発電所の廃炉に向けた研究開発を行う。同施設の開所後は、現在東海村にある廃炉国際共同センターの機能は福島に移設され、2015年10月に開所した「楢葉遠隔技術開発センター」や、2017年度に運用開始予定の「大熊分析・研究センター」と近接する利点も活かし、産学官連携により研究開発と人材育成を一体的に進める体制の構築を目指していく。