原子力機構東海再処理施設、高放射性廃液のガラス固化を9年ぶりに再開

2016年1月26日

 日本原子力研究開発機構は1月25日、東海再処理施設に保有している高放射性廃液のガラス固化処理を、およそ9年ぶりに再開した。4月下旬までに約50本のガラス固化体を製造する予定。
 同施設では、約400立方メートルの高放射性廃液を保有しているが、ガラス固化技術開発施設(TVF)でガラス原料とともに高温で溶かし込んだ後、ステンレス製容器に封入し、ガラス固化体として保管することで、安全性向上を図る。リスク低減の観点から、原子力規制員会により再開が了承されており、原子力機構では年明けより、高放射性廃液を貯蔵場からTVFへ移送する作業を進めていた。
 東海再処理施設は、1977年に使用済み燃料を用いた試験を開始し、1981年の本格運転移行後、2009年3月末までに約1,140トンの処理を行い、軽水炉使用済み燃料再処理技術の確立に貢献した。使用済み燃料から分離された高放射性廃液をガラス固化するTVFでは、1994~2007年に247本のガラス固化体を製造し同施設で保管している。