四国電力、伊方3号の年度内再稼働を断念
四国電力の佐伯勇人社長は1月27日の定例記者会見で、原子力規制委員会による新規制基準適合性審査で2015年7月に原子炉設置変更許可に至った伊方3号機について、「年度内の再稼働は困難」と述べた。2015年度業績予想の公表に伴い判断に至ったもの。
それによると、同機の再稼働を織り込まない前提で、2015年度通期の売上高は、4月の公表値に比べ200億円減収の6,600億円と見込んでいる。
また、佐伯社長は、4月からの電力小売全面自由化開始を控え、「電気事業にとって正に歴史的転換点」との認識を示した上で、需要者に対し新たな料金メニューを打ち出すことで、より付加価値の高い魅力あるサービスを提供していくとともに、電力の安定供給に関しても、原子力と石炭火力の構成比が高い事業者として、伊方3号機の再稼働を成し遂げ、火力発電所のリプレースにも着実に取り組んでいくなどと、2016年の抱負を述べた。伊方3号機の再稼働に向けて、規制委員会への申請書類提出はすべて完了しているものの、安全対策工事の進捗が遅れており、同社では、「工期ありきではなく伊方3号機の安全確保を最優先に着実に取り組んでいく」としている。