「再処理等拠出金法案」が閣議決定、拠出金制度や認可法人を創設

2016年2月5日

 政府は2月5日の閣議で、原子力発電で発生する使用済み燃料の再処理が着実に実施されるよう、現行の積立金制度を改め、新たに拠出金制度を創設することなどを柱とする「再処理等拠出金法案」を決定した。現在開会中の今国会での成立を目指す。
 4月からの電気事業の小売全面自由化に伴い競争が進展する中、原子力発電を巡る事業環境に大きな変化が生じることを見据え、必要な資金が確保できず再処理が滞ることのないよう、総合資源エネルギー調査会のワーキンググループで昨夏より、新たな制度設計について検討してきた。
 法案では、(1)拠出金制度の創設、(2)認可法人制度の創設、(3)適正なガバナンス体制の構築――を柱に据えており、事業に必要な資金の安定的確保とともに、法律の規定によらなければ解散できない認可法人「使用済燃料再処理機構」を設立し、関係事業全体を勘案した実施計画の策定、拠出金の決定・収納を担わせ、再処理を着実に実施する体制整備を措置する。
 新たな制度では、「発生者責任の原則」に基づき、使用済み燃料の発生量に応じ、再処理事業に必要な資金の拠出を電力に義務付け、支払われた拠出金に係る再処理事業を認可法人が進めるのだが、これまで技術、人材を蓄積してきた日本原燃が認可法人の委託を受けて、引き続き現業を担うこととなる。
 また、認可法人については、意思決定主体として第三者を含む運営委員会を設置するとともに、理事長は経済産業相が任命、理事(4人以内)も同相の認可を要することを規定するなど、運営に国が一定の関与を行うことで、事業全体のガバナンス強化を図ることとしている。

再処理拠出金制度