核不拡散・核セキュリティに関する国際フォーラム/シンポ始まる

2016年2月9日

JAEAISCN 核不拡散・核セキュリティについて考える国際フォーラム/シンポジウムが2月9日、時事通信ホール(東京・中央区)で始まった。日本原子力研究開発機構他主催によるもので、翌10日までの2日間にわたり、発足から10年を迎えた同機構核不拡散・核セキュリティ総合支援センターの技術開発・人材育成の取組について総括するとともに、内外有識者によるディスカッションを通じ、今春開催の核セキュリティ・サミット(米国ワシントンDC)に向けて、国際社会における核不拡散・核セキュリティの維持・強化のための課題や方策を議論する。
 初日は、米国エネルギー省国家核安全保障庁のアンドリュー.A.フッド氏(=写真)が、アン.ハリントン同防衛核不拡散局担当次官補の代読として講演を行い、2014年のハーグ核セキュリティ・サミットでの日米共同声明などを振り返った上で、近年の原子力発電開発の拡大などを踏まえ、核セキュリティ分野での日米協力を継続していく重要性を強調した。
 また、続いて講演に立ったIAEA東京地域事務所長のディヴィス・ハート氏は、テロ.ヴァルジョランタ同保障措置担当事務次長の代読として、IAEA保障措置を通じた「国際的な信頼性構築」の重要性を訴えたほか、1月のイラン核問題に関する「包括的共同作業計画」(JCPOA)の合意履行を「最大の成功」と評価する一方、最近の北朝鮮核実験など、核不拡散体制への脅威が生じている現状を懸念した上で、今後、新しい検認技術の開発や、情報セキュリティへの脅威にも対策を講じていく必要性を述べた。
 2日目は、核不拡散・核セキュリティを支える技術開発について議論を深めていく。