「もんじゅ」のあり方検討会、現地訪問の結果報告を受け意見交換
「もんじゅ」のあり方に関する文部科学省の検討会が2月19日、第3回会合を開き、今後の検討に資するため9日に実施した現地訪問の結果報告を受け、意見交換が行われるなどした。
検討会委員による現地訪問は、配管支持構造物、二次冷却系配管、制御用圧縮空気設備他、保守管理上の不備が指摘された箇所を中心に視察するとともに、若手職員との懇談も行い、保全プログラムの策定・実行を巡る困難や、出向者が多いことによる知見散逸の課題などがあげられたとしている。
訪問結果を受け、委員からは、原産協会の高橋明男理事長が、多くの運転実績がある軽水炉と比べ、「もんじゅ」については「情報が少ない」ことを指摘し、積極的な情報の収集・活用について、日本原子力研究開発機構に検証させ、検討会でも論点に加えるべきとしたほか、学習院大学の櫻井敬子法学部教授が、他の発電施設を視察した経験から、改善への努力にもかかわらず、現場のモチベーションが下がりつつある状況を憂慮した。
また、今回の会合では、前回の電気事業連合会に続き、商業炉の保全活動について、日本電機工業会より、メーカーの立場から説明があり、これまでの議論や先の現地視察を踏まえ、今後の論点として、保守管理に関する定量的データ・実施体制を商業炉と比較・整理することや、「もんじゅ」の組織運営に関し、メーカーや協力会社なども網羅的に提示し全体の関係を考えることなどが追加された。