ITER関連の国内活動で報告会、産業界の取組もPR
核融合エネルギーの実現に向けた日本の取組に関する報告会が2月22日、都内で開催され、ITER計画やこれを支援するため日欧協力で進めている「幅広いアプローチ」(BA)活動の進捗状況について日本原子力研究開発機構が発表したほか、産業界より関連機器の開発状況が紹介されるなどした。
冒頭、冨岡勉文部科学副大臣、森英介自由民主党核融合エネルギー推進議員連盟会長らが来賓挨拶に立ち、将来にわたるエネルギーの安定供給確保に備え、核融合の技術開発に取り組む意義とともに、これを通じた産業界の活性化への期待などが述べられた。
ITER計画における日本の貢献に関しては、原子力機構の田島保英理事が、中心ソレノイドコイルや超電導コイルの物納実績や、2015年末にイタリアの「ITER中性子入射加熱実機試験施設」(NBTF)で設置工事の始まった超高電圧電源開発などを、BAでは、国際核融合エネルギー研究センター(IFERC、六ヶ所村)、国際核融合材料照射施設(IFMIF/EVEDA、同)、サテライトトカマク装置(=模型、JT-60SA、那珂市)の近況を報告した。また、4月より、原子力機構が担ってきた核融合の研究開発部門が分離し、放射線医学総合研究所と一体となった新法人「量子科学技術研究開発機構」で実施されることについて、田島氏は「いささかも変わらず」として、今後もこれまでの研究マインドを維持していく姿勢を示した。
続いて、核融合科学研究所の西村新教授は、ITERに続きプラント規模での発電実証を目指す原型炉の開発に向けた活動について報告し、産業界からは、三菱重工業、三菱電機、東芝、日立製作所他より、ITER/BAの関連機器の開発・製作状況が披露され、会場ロビーではパネル展示も行い、来場者らに各社の技術・サービスをPRした。
この他、ITER機構長のベルナール・ビゴ氏からのITER建設状況を報告するビデオメッセージが放映された。