高浜4号機 水漏れ原因つきとめ対策 今月中にも再稼働へ

2016年2月24日

 関西電力は2月22日、原子炉補助建屋の脱塩塔室前の床などに約34リットルの水漏れがあったため20日に通水を停止した高浜発電所4号機について、原因は冷却材脱塩塔の入口側弁の一部のボルトの締め付け圧が低い状態であったため、化学体積制御系からほう素熱再生系統への通水操作による系統の圧力の一時的な上昇に伴って当該弁から漏えいが発生したものと推定したと発表した。今回の水溜りの推定放射能量は、国のトラブル事象の基準値の200分の1以下の値となっており、環境への放射能影響はない。化学体積制御系は、原子炉冷却系統から1次冷却材の一部を抽出し浄化した後、保有水量やほう素濃度等を調整して原子炉冷却系統に1次冷却材を重点する系統で、ほう素熱再生系統は、イオン交換によってほう素濃度の調整を行う系統である。
 再発防止対策として、当該弁のダイヤフラムシートを新品に取替えるとともに、1次系冷却水が流れる系統の同種の弁が適正に締め付けられていることを確認し、締め付け工具の選定などを弁作業手順書に反映する。化学体積制御系統の水をほう素熱再生系統に通水する際には、圧力変動の影響が小さくなるよう化学体積制御系統の抽出水の圧力が低い状態(約1.0Mpa)で行うこととし、運転操作所則に反映する。
 高浜発電所4号機は現在起動試験を行っており、今月中にも再稼働が見込まれている。