福島第一で使用済み保護衣の焼却処理開始、3月にローソン開店も
東京電力は2月25日、福島第一原子力発電所廃止措置の月例進捗状況を発表した。使用済み燃料取り出しに向けては、2015年10月に建屋カバー屋根パネルの取り外しを完了した1号機では、今後の原子炉建屋上部のがれき撤去に備え、2月4日よりダストの飛散抑制対策となる散水設備の設置作業を開始している。
建屋を凍土壁で囲み山側からの地下水の流れを遮断する陸側遮水壁については、昨秋の山側部分に続き、海側部分の凍結準備が2月9日に完了した。東京電力は、同15日に開かれた原子力規制委員会の監視・評価会合で、今後、遮水壁の閉合は海側を先行させ山側は段階的に行う工程を示した上、水位管理の妥当性などについて説明している。
また、廃棄物の保管管理の関係では、使用済み保護衣などを焼却する雑固体廃棄物焼却設備(=写真)のホット試験(汚染のある実廃棄物を使用)が2月25日より行われており、3月中にも本格運用を開始する予定だ。福島第一では現状、使用済み保護衣で年間24,000立方mの継続的発生が見込まれているが、同設備で年間29,000立方m(不織布カバーオールのみ焼却の場合)を処理し2%までの減容を図るほか、2020年より増設雑固体廃棄物焼却設備(95トン/日)を稼働させ、伐採木などの処理も進めていく。
労働環境改善の関連では、2015年5月に運用開始した大型休憩所2階に、食堂に隣接して、コンビニエンスストアのローソンが3月1日にオープンするなど、現場作業員への利便向上がより図られるようになる。