地球温暖化対策計画案まとまる、「2050年までに80%の温室効果ガス排出削減」

2016年3月7日

 経済産業省と環境省による合同審議会が3月4日、地球温暖化対策計画の案文を取りまとめた。地球温暖化対策推進法およびCOP21で採択された「パリ協定」に基づき、温室効果ガスの排出抑制・吸収量の目標、その達成に向けた施策を示すもの。
 計画案では、冒頭、地球温暖化について「人類の生存基盤に関わる安全保障の問題」と、その影響の大きさや深刻さを述べた上で、人類共通の課題解決に向け、日本として、科学的知見に基づき、国際的協調の下、率先的に取り組むとしている。日本が国際的に約束した2030年度の削減目標は2013年度比26.0%減だが、本計画では、2015年6月のG7エルマウサミット首脳宣言で、世界全体の共通ビジョン「2050年までに2010年比で40~70%の上方の削減」が盛り込まれたことから、日本の長期的目標として、「2050年までに80%の温室効果ガス排出削減を目指す」と明記された。
 目標達成のための対策・施策のうち、エネルギー起源CO2の削減で、電力分野については、昨夏に電力業界が公表した「低炭素社会実行計画」(2030年度に0.37kg-CO2/kWhを目標)など通じ、「火力発電の高効率化等」、「安全性が確認された原子力発電の活用」、「再生可能エネルギーの最大限の導入」を進めていくことがあげられている。