四国電力、伊方1号機の廃止を決定

2016年3月25日

YDS-G

伊方発電所、左から1、2、3号機(ⓒ四国電力)

 四国電力は3月25日、伊方発電所1号機(PWR、56.6万kW)を5月10日で廃止することを決定した。
 同機は2017年9月に運転期限の40年を迎えることから、四国電力では、新規制基準への適合や運転期間延長に向けて検討を行ってきたが、電力供給の確保、各種安全対策工事の技術的成立性やコスト、また、国でも廃炉を円滑に進めるための会計制度を導入したことなどを総合的に勘案し、廃止することとした。同社では今後、伊方1号機の廃止に伴う手続きを進め、安全確保を最優先に廃止措置に取り組んでいくとしている。
 伊方1号機の廃止決定について、四国電力の佐伯勇人社長は、四国地域の電力安定供給を支える基幹電源として役割を果たしたと、同機の活躍を振り返るとともに、「計画段階から約半世紀の長きにわたり、尽力を賜った関係者、そして理解と協力をいただいた愛媛県民の皆様に深く感謝する」とのコメントを発表した。
 伊方発電所では現在、3号機の新規制基準適合性審査が進んでおり、既に保安規定変更認可を残すところとなっているが、愛媛県の中村時広知事は同機の再開に向けた国への要請の中で、1号機のPWR廃炉技術研究での活用も求めている。
 国内の原子力発電所では2015年に、高経年炉5基(日本原子力発電敦賀1号機、関西電力美浜1、2号機、中国電力島根1号機、九州電力玄海1号機)が廃止された。