規制委の専門審査会、検査制度改善などIRRSミッション指摘事項への審議開始

2016年3月28日

 原子力規制委員会の助言組織として置かれる原子炉安全専門審査会と核燃料安全専門審査会は3月25日、1月に受け入れたIAEAの総合的規制評価サービス(IRRS)ミッションが指摘した課題について審議を開始した。
 IRRSミッションは1月11~22日、規制委員会を始め関係機関からのヒアリングや、原子力施設の視察を行い、職員の力量向上、検査制度の実効性担保、安全文化浸透への努力などを勧告する暫定的な見解を行程の最終日に公表した。今回IRRSの最終報告書は、4月に公表の予定となっているが、規制委員会ではこれに先立って、原子力規制庁に制度改正審議室を設置し具体的対応方針案の検討を始めるほか、両審査会に同委の作成するIRRS指摘事項に対するアクションプランへの評価や助言を求めることとしており、今回の審議開始となった。両審査会はそれぞれ、原子炉、核燃料の安全性に関し、第三者的立場から科学的・技術的見地から調査・審議を行うが、規制委員会からは、特に検査制度の改善に向けた基本的方向性について助言するよう指示されている。
 この他、原子炉安全専門審査会では、火山モニタリングに関する調査・審議を行うよう規制委員会より指示を受け、「原子炉火山部会」を設置し専門的検討を行うこととした。