電事連 16~18基でプルサーマルを目指す方針変わらず
電気事業連合会(電事連)の尾野昌之原子力部長と林昭宏原子力部部長は3月29日の原子力委員会で、電気事業者におけるプルトニウム利用計画等の状況について報告した。
現在のプルサーマル計画では、「2015年度までに全国の16~18基の原子炉でプルサーマルを目指す」とされている。現在、プルサーマルに係る国の許可を取得したプラントのうち8基が新規制基準適合性に係る審査申請を行っており、高浜3号機と4号機、伊方3号機の計3基が既に許可を受領している。しかし、その他のプラントの具体的な再稼働時期の見通しは立っていない状況にある。導入目標時期の「2015年度」については見直す必要があるが、導入基数の「16~18基」については、海外保有のプルトニウムを含め六ヶ所再処理工場での800トン再処理時に回収されるプルトニウムを各社で確実に導入するため、この考え方に変わりはないとした。プルトニウムの利用計画およびプルサーマル計画については、遅くても新たなプルトニウム回収開始までに策定して公表すると説明した。
原子力委員会は今回の説明を受け、現時点ではプルトニウム利用計画を改定・公表できる状況にないことはやむを得ないが、日本のプルトニウム利用に対し国内外からの関心が極めて高くなっており、プルトニウムを保有しその利用について責任を有する電気事業者に対して、これまでにも増してできる限り具体的な情報の時宜を得た発信・説明に努力することを期待したいとする見解を発表した。
電気事業者は2003年に原子力委員会が決定した「我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方について」に基づき、2006年以降プルトニウム利用計画を毎年度公表してきた。2009年に公表した現在のプルサーマル計画公表以来、これまで10基でプルサーマル導入に係る国の許可を取得し、3基でプルサーマル発電を開始した(福島第一3号機を除く)。今後のプルサーマル計画については、再処理工場の操業開始時期を踏まえ、新たなプルトニウムの回収開始までにプルトニウム利用計画を策定して公表すると2013年に原子力委員会に報告しており、今回の報告はその後の状況や考え方についてのものとなる。