規制委、2016年度重点計画にIRRS指摘事項への対応を盛り込む

2016年3月31日

 原子力規制委員会は3月30日、2016年度の重点計画をまとめた。1月に受け入れたIAEAの総合的規制評価サービス(IRRS)による指摘事項への対応を盛り込んでいる。
 IRRSのミッションチームは、日本の要請により、原子力規制に関する許認可・検査制度や組織体制などについて、総合的レビューを行うため来日し、1月11~22日、規制委員会他、関係機関からのヒアリング、原子力施設の視察を実施し、職員の力量向上、検査の実効性担保、安全文化の浸透について勧告する暫定的見解をまとめた。最終報告は4月にも公表される見込みだ。
 2016年度の重点計画で、規制制度や運用の継続的改善に関しては、「検査の実効性が担保されるよう関連法令を改正するべき」とのIRRSによる指摘を踏まえ、年度内にも、原子炉等規制法の見直しについて検討し成案を得るとしている。さらに、規制基準の見直しについても、計画・プロセスを策定し、継続的改善に努めていく。
 また、IRRSが指摘した「有能で経験豊富な職員の獲得」に向けては、安全審査・検査、原子力防災、安全研究などに係る体制を強化するため、年間を通じて、優れた知識や技術を有する民間の実務経験者の確保を強力に推進するとともに、独自の採用試験を有効に活用し、活躍の期待できる若手を採用するとしている。さらに、力量管理、研修体系の整備、研修用シミュレータ整備、知識管理などを進め、原子力規制人材の確保・育成の仕組みを確立していく。