G7各外相揃っての広島平和祈念資料館訪問決定
岸田文雄外相は4月2日の会見で、G7各外相揃って4月11日に広島平和祈念資料館を訪問し、原爆死没者慰霊碑に献花することで合意に至ったと発表した。4月11日と12日に被爆地広島で行われるG7外相会談では、岸田外相が議長を務めることとなっており、「世界の指導者に被爆地を訪問してもらい、被曝の実相に触れてもらうということは核兵器のない世界を目指そうという国際的な気運を盛り上げるうえで大変重要」との考えを念頭に、極めて丁寧に慎重に調整を行ってきたと報告した。岸田外相は、広島から力強い核軍縮・不拡散に向けた「広島宣言」という力強いメッセージを発出することによって、核兵器のない世界に向けての取り組みを再び盛り上げる機会にしたいとの意欲を示した。
なお、湯崎秀彦広島県知事は3月30日の会見で、阿部信康原子力委員/国際平和拠点ひろしま構想推進委員会副座長と戸崎洋史日本国際問題研究所軍縮・不拡散促進センター主任研究員同席のもと、「ひろしまレポート2016年版」を発表した。同レポートでは2015年の主な動向として、核軍縮分野では核兵器の非人道性や核軍縮に関する国連総会決議・共同声明への反対等から主に非核兵器国が評点を下げたため全体として取り組みの進展がほとんど見られなかったこと、核不拡散分野ではとりわけイランについて同国の核活動への制限と検証措置を含む共同包括的行動計画(JCPOA)が合意に至るなど大きく評点を伸ばして全体として取り組みの進展が確認されたこと、核セキュリティ分野では関連条約への加入等が進んだことで評点増となった国が確認される一方で、新たに複数国で兵器利用可能な核分裂性物質保有量が明らかになり大きく評点を下げる結果となったこと――などが報告されている。