原電、廃止措置の事業化に向け米国エナジーソリューションズ社と連携へ

2016年4月21日

 日本原子力発電は4月20日、米国の廃止措置専門会社であるエナジーソリューションズ社との間で、敦賀発電所1号機廃止措置の効率的な遂行に向け、同社の有するノウハウを取得し活用することで合意したと発表した。今後、エナジーソリューションズ社が進めている米国ザイオン原子力発電所(イリノイ州、108.5万kW×2基、1996、97年にそれぞれ閉鎖)廃止措置プロジェクトとの人材交流を図るほか、将来的には廃止措置の事業化に向け、事業の共同化についても協議を行っていくこととしている。原電は、2016年度の経営基本計画の中で、原子力発電のパイオニア企業として、東海発電所や敦賀発電所1号機の廃止措置経験を活かし、他社プラント廃炉への技術支援など、廃止措置の事業化について打ち出している。
 現在、原電では、2001年より国内初の商業炉である東海発電所の廃止措置を進めているほか、2016年2月には、国内初の商業用軽水炉である敦賀発電所1号機の廃止措置計画の認可を申請したところだ。一方、エナジーソリューションズ社は、海外で豊富な廃止措置経験を有しており、2010年より進めているザイオン発電所の廃止措置では、2015年に商業炉の原子炉容器を分割する大規模作業に米国で初めて成功するなど、先進的技術を有しているほか、廃止措置活動を通じた雇用拡大により、地元の経済活性化にも貢献している。
 国内では現在、福島第一原子力発電所を除き、原電東海、中部電力浜岡1、2号機、日本原子力研究開発機構「ふげん」で廃止措置が進められているほか、近年、原電敦賀1号機、関西電力美浜1、2号機、中国電力島根1号機、四国電力伊方1号機、九州電力1号機の計6基の廃炉が決定しており、これに伴う技術や人材の確保、廃棄物処分に係る規制制度整備や地元の理解醸成などが急がれている。