「再処理等拠出金法案」が成立
電気事業の小売全面自由化など、原子力を巡る事業環境変化により、使用済み燃料の再処理が滞らぬよう、(1)拠出金制度の創設、(2)認可法人制度の創設、(3)適正なガバナンス体制の構築――の措置を講じることを柱とした「再処理等拠出金法案」が5月11日の参議院本会議で可決、成立した。
本法案では、現行の積立金制度に替わり、使用済み燃料が発生した時点で、再処理に必要な資金を、事業実施主体として新設する認可法人「使用済燃料再処理機構」に拠出(渡し切り)することを原子力事業者に義務付け、事業者の経営判断などに影響されずに、資金が安定的に確保できるようにする。また、「使用済燃料再処理機構」は、事業の実施計画策定や拠出金の収納などを行うが、再処理事業の実施については、技術、人材、設備が蓄積されている日本原燃に委託して行う格好となる。
法案成立を受け、電気事業連合会の八木誠会長は、使用済み燃料を発生させている責任を遂行するため、「必要となる資金を拠出することはもとより、『使用済燃料再処理機構』の設立に当たって原子力事業者として求められる協力に積極的に応じていく」とのコメントを発表した。
また、六ヶ所再処理工場などが立地する青森県の三村申吾知事は、「核燃料サイクル事業が、青森県において県民の理解・協力のもとで進められている状況に十分配慮されるべき」などとコメントしている。