日立中期経営計画、原子力市場は「ビジネス拡大のチャンス」

2016年6月2日

 日立製作所は6月1日、2018年度までの中期経営計画で進める分野ごとの事業戦略を発表した。電力・エネルギー分野では、2018年度に、エネルギーソリューション、電力、原子力の3ビジネスユニット(BU)で、2015年度比5.9%増となる5,500億円の売上収益を目指している。
 中期経営計画の重点取組として、原子力BUでは、「福島第一原子力発電所廃止措置への取組継続」、「早期再稼働および長期安定運転への取組強化」、「英国ホライズンプロジェクトの推進」、「強靭かつ効率的な事業体質の構築」を掲げており、国内事業を基盤とし、海外事業での成長、収益向上を目指す。国内では、2030年を見通したエネルギーミックスで示す「原子力発電比率20~22%」の達成に向け、原子力発電プラントの60年までの運転延長や、稼働率の向上が求められるものとみて、市場環境はビジネス拡大のチャンスにあるとしている。一方、海外では、英国のウィルヴァ・ニューウィッドにABWRを建設するホライズンプロジェクトを、確実に進捗させることで事業価値の向上を図るとともに、英国事業で培った経験をグローバルに展開していく。原子力の売上収益は、2016年度の1,500億円(見通し)から、2018年度に1,650億円、2020年度には2,800億円までの伸びを目指す。