山形大、東芝、量研機構 レーザーイオン源とRFQ線型加速器を開発
山形大学医学部は7月12日、東芝と量子科学研究開発機構放射線医学総合研究所との共同研究により、重粒子線がん治療装置に使用可能なレーザーイオン源と、従来よりも安定性と電力効率を高めた高周波四重極(RFQ)線型加速器を開発したと発表した。
レーザーイオン源は、装置の最上流で使用する部分で高出力レーザーを黒鉛ターゲットに照射して炭素イオンを発生させる方式となっている。
RFQ線型加速器は、従来は銀ロウや溶接などの接合部が多く工程が複雑で時間がかかっていた加工方式だったところを、接合部を減らして世界で初めて3つのパーツにわけて加工する三体加工方式で製作した。
レーザーイオン源に関しては、将来の重粒子線がん治療装置のイオン源や他の多種多様な加速器のイオン源として使用することができる。RFQ線型加速器に関しては、重粒子線がん治療装置、陽子線治療装置で数多く使用されており、最近ではホウ素中性子捕捉療法(BNCT)用加速器としても注目を集めている。
今回の製作法の開発により、RFQ線型加速器の製作期間の短縮化とメンテナンス性の向上、コストの低下および電力効率の上昇に繋がることが期待される。