伊方3号機が本格運転復帰、新規制基準クリアし4基目
四国電力の伊方発電所3号機(=写真右、PWR、89万kW)が9月7日16時、原子力規制委員会による総合負荷性能検査を終了し、2011年4月末に定期検査に伴い停止して以来およそ5年4か月ぶりに本格運転に復帰した。新規制基準をクリアして、本格運転再開となる原子力発電プラントは、九州電力川内1、2号機、関西電力高浜3号機に続いて4基目となる。
伊方3号機の再稼働に向けて、四国電力は、2013年7月の新規制基準施行に合わせ、規制委員会に適合性審査を申請しており、その後、2年間の審査機関を経て、2015年7月に原子炉設置変更許可を取得し、10月には地元との安全協定に基づき愛媛県および伊方町からの事前了解獲得に至っている。事前了解に際し、愛媛県の中村時広知事は、福島第一原子力発電所事故の教訓や立地条件を踏まえ、四国電力に対し要請していた県独自の追加安全対策について、自ら現地で実施状況を確認している。また、11月には、政府主催の原子力総合防災訓練が伊方発電所を対象に実施され、細長い半島に位置する地域特性を踏まえ大分県への海路避難の実効性を検証するなどした。
伊方3号機は、8月12日の原子炉起動後、15日に発電を再開、22日に定格熱出力一定運転となり、当初8月中の本格運転復帰が見込まれていたが、26日に管理区域外で発生した水漏れにより工程が遅れることとなった。同機の燃料157体は、6月に装荷された新燃料56体の他、再使用燃料101体中にはMOX燃料16体が含まれており、プルサーマル発電を行っている。なお、新規制基準で要求されるテロなどに備えた特定重大事故等対処施設は、2019年度の完成予定だ。
同機の本格運転再開を受け、佐伯勇人社長は、地元への感謝の意を表するとともに、「これからも安全・安定運転を継続するとともに、情報公開の徹底と丁寧理解活動に全力を尽くす」とのコメントを発表した。