「使用済燃料再処理機構」の設立が認可

2016年9月20日

saishori 原子力事業を巡る環境変化に伴い、使用済み燃料再処理事業の着実な遂行に向け新設される認可法人「使用済燃料再処理機構」の設立が9月20日、経済産業省より認可された。原子力事業を行う10電力会社の社長が発起人となって、10月の設立を目指し7月より準備を進めているもの。同機構理事長に、東北エネルギー懇談会会長で元東北電力副社長の井上茂氏が就任することも内定した。
 電力システム改革や原子力の依存度低減など、新たな事業環境下においても、使用済み燃料の再処理が滞ることのないよう、資金面、主体面、体制面の諸課題に対応すべく、資源エネルギー庁のワーキンググループで議論が行われたのを踏まえ、(1)拠出金制度の創設、(2)認可法人制度の創設、(3)適正なガバナンス体制の構築――を柱とする再処理等拠出金法が5月に成立した。現行の積立金制度を改めた拠出金制度の創設により、「発生者責任の原則」に基づいて、原子力事業者に対し、使用済み燃料の発生量に応じて再処理事業に必要な資金を「使用済燃料再処理機構」に拠出することを義務付け、事業者の経営状態にかかわらず必要な資金を安定的に確保する。新設される「使用済燃料再処理機構」には、関係する事業全体を勘案した総合的な計画の策定、拠出金額の決定・収納、再処理を行うことが法律上規定されているが、これまでに技術・人材の蓄積された日本原燃が引き続き同機構より委託を受ける格好で再処理事業を実施することとなる。
 「使用済燃料再処理機構」の本部事務所は青森市内に置かれることとなっている。