新規制基準審査で高浜3、4号の特定重大事故等対処施設に初の「合格」、京大「KUR」も
原子力規制委員会は9月21日の定例会合で、関西電力高浜発電所3、4号機について、新規制基準により要求されるテロなどへの対策として設置する特定重大事故等対処施設に関する原子炉設置変更許可を決定した。関西電力は2014年12月に、本件について規制委に審査を申請し、以降計21回に及ぶ審査会合を経て、2016年8月3日に審査書案の取りまとめに至り、原子力委員会と経済産業省に対し意見照会が行われていたが、このほど、原子力発電所の特定重大事故等対処施設として初めての合格となった。
高浜3、4号機は既に、新規制基準の適合性審査をクリアし再稼働に至っているが、特定重大事故等対処施設の整備については、本体施設の工事計画認可(3号機:2015年8月、4号機:同年10月)から5年間の猶予が与えられている。
また、規制委員会は同日会合で、京都大学の研究炉「KUR」(熱出力5MW)について、新規制基準に適合するとの審査書を正式決定した。研究炉等について合格となるのは、近畿大学「UTR-KINKI」(熱出力1W)、京都大学「KUCA」(同100W)に続いて3基目となる。「KUR」は、1964年の初臨界以来50年以上にわたり、全国共同利用施設として多数の研究者・学生の研究・教育に貢献しており、医療分野では、革新的ながん治療法とされるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)でこれまでに500件以上の臨床実績を有している。