ベトナム原子力発電所幹部を育成する研修で修了式、JINED/東海大
ベトナムの原子力発電プロジェクト推進に向けた人材協力プログラムとして、将来の発電所幹部を育成する技術者研修の修了式が9月23日、都内で行われ、2年間の研修を終えた9名に修了証書が授与された。本研修は、新興国での原子力発電プロジェクトに関する提案活動を行うことを目的に2010年に設立された国際原子力開発(株)(JINED)が、東海大学との協力により2012年から実施しているもので、原子力分野の専門教育、発電所やメーカー工場での現場研修とともに、日本語力の向上、日本の文化・風習体験なども盛り込んでいるのが大きな特徴だ。対象者は、ベトナム電力グループ(EVN)より選抜された発電所幹部候補生で、60名程度を育成することを目指しており、2012~2014年の第1期には15名が研修を修了している。今回、2期生の修了式では、成績優秀だった3名に対し特別表彰も行われた。
ベトナムでは、中南部ニントゥアン省の2サイトに100万kW級の原子力発電プラントを2基ずつ建設する計画を進めており、そのうち日本が建設パートナーとして選定されている第2サイト(ビンハイ)に関する協力覚書が、2011年にJINEDとEVNとの間で締結されている。
修了証書の授与に際して、東海大学の山田清志学長は、「高度な水準のプログラムを修了したことに敬意を表する」と、研修生らの勉学の成果を称えるとともに、さらに充実した教育内容となるよう努めていくなどと述べた。
また、原産協会の高橋明男理事長(原子力国際協力センター理事長)は、来賓挨拶に立ち、今回巣立っていく研修生らに対し、「ベトナムと日本をつなぐパイプ役として活躍して欲しい」などと期待を寄せた。
今回、成績優秀として表彰されたグエン・タン・コア氏は、「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」を肝に命じ、懸命に勉学に励んだ毎日を振り返った上で、「日本で学んだことを帰国後活かしていきたい」などと今後の抱負を語った。
第2期生の修了式とともに、続く8名の第3期生を迎え入れる開講式も行われた。JINEDの小野田聡社長は、「人のネットワークは貴重な財産。遠慮することなく日本の先輩たちに問いかけて欲しい」と第2期生たちへのはなむけの言葉を、また、「将来の夢に向かって頑張ってもらいたい」と第3期生たちへの激励の言葉をそれぞれ述べた。