原子力委員会、「根拠に基づく情報体系」の整備に向け見解案示す
原子力委員会は11月15日の定例会合で、一般の人たちが「自らの関心に応じて、自ら見つけた情報を、自ら取捨選択し、納得する」ことを目指し、原子力関係機関が中心となった連絡協議会を立ち上げ連携しながら、情報体系の整備が進むことを期待するとの見解案を示した。
同委は8日の会合で、電気事業連合会、日本原子力産業協会、日本原子力文化財団など、原子力関係機関の幹部らを集め、福島第一原子力発電所事故以降、国民全体の原子力への不信・不安が高まる一方で、インターネットを通じて収集される情報は個別的・断片的で、特に科学的根拠をわかりやすく解説したものが少ないことなどに鑑み、一般向け情報から専門的情報・科学的根拠にまでたどり着ける「根拠に基づく情報体系」を整備する必要性を確認した。
これを受け、15日の会合では、再度原子力関係機関の同席のもと、原子力委員会による見解案が示されたが、その中で、今後取り組むべき「根拠に基づく情報体系」の整備については、(1)一般向け情報、(2)橋渡し情報(根拠を一般向けに解説したもの、政策情報など)、(3)専門家向け情報、(4)根拠等(研究成果・報告など)――の各階層をつなぎ、一般の人たちが自らの関心に応じて検索し、専門的情報にまでたどり着けるよう、まずは、情報の出典を明記することや、用語集の作成などが有効だとしている。さらに、一般の人たちにアクセスしてもらえるよう、インターネットでの検索性向上に向け、各種マニュアル作成を関係機関間で行うことにも言及している。
原子力文化財団が2015年度に行った世論調査によると、原子力やエネルギーに関する日頃の情報源としては、テレビのニュース(85.8%)や新聞(55.3%)が主なものとなっている一方、普段の情報収集では、インターネット(57.1%)が新聞(34.0%)やテレビ(32.5%)を上回っている。