規制委が美浜3号の60年までの運転延長を認可、高浜1、2号に続き3基目
原子力規制委員会は11月16日の定例会合で、関西電力美浜発電所3号機(=写真右)の60年までの運転期間延長を認可することを決定した。1976年に運転開始した同機は、原子炉等規制法に定める運転期間の満了が11月30日に迫っていたが、新規制基準適合性に係る原子炉設置変更許可を10月5日に、同じく工事計画認可を同26日にそれぞれ取得しており、このほどの運転期間延長を合わせ、再稼働に向けて必要な規制委員会による認可がそろうこととなった。規制委員会が高経年炉の運転期間延長を認めるのは、6月の関西電力高浜発電所1、2号機に続き3基目となる。
美浜3号機の運転期間延長認可の申請に際し、関西電力では法令に基づき、原子炉容器や原子炉格納容器などの特別点検を実施しており、規制委員会では、中性子照射脆化、電気・計装設備の絶縁低下他の経年劣化事象について、特別点検の結果を踏まえた技術評価が行われ、審査基準の要求事項に適合することを確認したとしている。
関西電力は、2015年3月に高浜1、2号機と美浜3号機の新規制基準適合性審査を規制委員会に申請、その後、運転期間延長に関しては、同4月に高浜1、2号機、同11月に美浜3号機について申請を行ったが、規制委では、運転期限が翌年に迫るこれらの高経年炉3基を含め、同社5基の審査スケジュールが非常にタイトになってきたことから、同10月末に八木誠社長(当時)を臨時会合に招き優先順位付けを示唆するなどした。高浜1、2号機に続き、このほど美浜3号機の運転期間延長認可を受けて、同社では、再稼働に向け早急に詳細な安全対策工事の内容、スケジュールを検討していくとしている。