原産協会産業動向調査公表 2015年度原子力関係支出高、前年度比23%の増加

2016年11月18日

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 原産協会は11月17日、定例のブリーフィングで、「原子力発電に係る産業動向調査2016報告書」の概要について報告した。同調査は原産協会が1959年以来毎年行っており、今回の調査は、約2年ぶりに原子力発電が再稼働を果たした2015年度を対象として、原子力発電に係る産業の支出や売上げ、従事者を有する営利を目的とした企業397社に調査を行い、原子力発電に係る産業の状況を探った。有効回答企業数は、原子力発電所を有する電気事業者11社、鉱工業他244社、商社11社だった。
 電気事業者の原子力関係支出高(電気事業者支出高)は、新規制基準対応や川内原子力発電所の再稼働もあり、前年度(2014年度)から3,922億円(前年度比23%)増加し、2兆943億円となった。また、鉱工業他の売上高は、前年度から952億円(同5%)増加の1兆8,424億円となった。一方で鉱工業他の受注残高は前年度から1,047億円(同5%)減少し、1兆8,248億円となった(図-A)。原子力発電所の運転停止に伴う影響としては、60%が「売上の減少」を挙げており、 続いて「技術力の維持・継承(53%)」、「雇用(人員)や組織体制の縮小(32%)」となっている。
fig-b 今回の調査結果について、高橋明男理事長は、産業動向調査で原子力関係従事者数が福島第一原子力発電所事故後以降もほぼ横ばいであることについて(図-B)、数字だけでは中身が見えないが、保守の仕事が減っている一方で、安全対策の仕事が増えていることに触れた。原子力業界では、再稼働時にプロのメンテナンス人材がどれだけ残っているか心配しているとして、各社苦労して人材を抱えている実状について語った。