規制委、原子炉容器などの炭素濃度品質管理で「問題なし」との評価示す

2016年11月22日

 原子力規制委員会は11月22日、原子力発電所に用いられる原子炉容器や蒸気発生器などの鍛造品の炭素濃度に関する品質管理に疑義があった問題で、事業者からの調査報告や聴き取りを踏まえ、対象の機器類はいずれも「規格で定められた炭素濃度を超えるような部分が残っているおそれはない」との評価を示した。
 本件は、フランスで、日本鋳鍛鋼とクルゾ・フォルジュ社(フランス)により製造された蒸気発生器部材について、機械的強度を低下させる炭素濃度の高い領域を持った「炭素偏析」の可能性がフランス原子力安全局より指摘されたのを受け、規制委員会が8月より、国内の原子力発電所を有する電力会社に対し、原子炉容器や蒸気発生器などの製造メーカー・製造方法の調査を指示していた。
 調査結果によると、各製造メーカーの鍛造製品は、炭素濃度が高くなりやすい部分を製造過程で取り除くなど、品質管理が施されていると評価された。
 規制委員会では、今般の「炭素偏析」問題を踏まえ、鍛造製品の化学成分均質性に関わる製品品質保証のあり方に関して、情報収集を行うなど、さらに検討を進めることとしている。