東北大、福島第一の安全な廃炉に向け全学横断の基盤研究センター設置
東北大学は12月1日、「原子炉廃止措置基盤研究センター」を設置した。福島第一原子力発電所の安全な廃炉に資する基礎研究と基盤技術開発を主なテーマとし、研究成果を通常炉の廃止措置技術へも展開させ、震災復興とともに原子力分野の国際競争力強化に寄与することを目指すもの。
同学では、「東日本大震災からの復興・新生の先導」を全学ビジョンに掲げ、特に、福島第一原子力発電所廃止措置への貢献を最重要課題の一つとして、文部科学省のプログラムなどを通じ、基盤研究や若手技術者・研究者の育成に取り組んできた。発災から5年半余りが過ぎ、「安全な廃炉を実現するためには、極めて広範囲の学術と技術の結集が必要」との考えから、部局を横断した全学の構成組織として、「原子炉廃止措置基盤研究センター」を設置することとなった。
同センターは、福島第一廃止措置で中長期的に重要課題となっている「廃止措置リスク管理」と「放射性廃棄物処理・処分」に関する技術研究をそれぞれ行う2部門から構成される。
東北大学は基礎・基盤研究に力を入れており、原子力分野では、これまでも大洗地区にエネルギー材料科学国際研究センターを置き、日本原子力研究開発機構の研究炉「JMTR」を利用した材料研究などに40年以上取り組んでいるほか、近年では現場体験を重視した人材育成にも努めている。