日立がトルコのクルト アンド クルト社を買収、ヘルスケア事業のグローバル展開へ

2016年12月9日

 日立製作所は12月9日、トルコで医療機器・医療関連サービスを提供するクルト アンド クルト社の株式75%を取得し、2017年4月1日付で日立の連結子会社とすることで合意したと発表した。これにより、トルコおよび周辺地域におけるヘルスケア事業の基盤を獲得することで、中央アジアや中東、アフリカ地域へもグローバル化を推進するとともに、画像診断運営サービスなどの事業強化も含め、トータルソリューションを提供していく。同社は、強みとする粒子線治療で、「グローバルシェアNo.1」、「トータルソリューションプロバイダー」を目指すべきポジションに掲げ、中国、アジア、欧州への市場拡大を戦略的に進めているところだ。
 日立は、ヘルスケアを注力事業の一つとして、画像診断装置や粒子線がん治療システムなどの診断・臨床を始め、検査・試薬、ITを活用したサービスなどの各分野の事業展開を通じ、医療の質向上と効率化の実現に向けたソリューションを提供している。また、同社の中期経営計画では、2018年度の海外売上収益比率を55%超とすることが目標に掲げられており、特に、ヘルスケア事業では、現在、米国、欧州、中国、アジアの4極でグローバル展開を図り、販売網の強化を通じさらなる販路の拡大や、付加価値の高いソリューションの拡充に努めていくとしている。
 今回の買収に際し、日立は、クルト アンド クルト社の30年以上にわたる画像診断装置の販売実績、放射線科向け画像診断センター運営サービスなどのソリューション事業への強み、中央アジア諸国を中心とする事業展開を高く評価した。同社ヘルスケアビジネスユニットの渡部眞也CEOは、「トルコは、ヨーロッパ、中東、中央アジアの地理的要衝に位置し、戦略的に重要な拠点」として、今後のグローバル展開に意気込みを見せている。