佐賀県議会が玄海3、4号の再稼働を認める決議、今後は知事の判断に

2017年4月13日

 佐賀県議会は、4月13日の本会議で、九州電力玄海原子力発電所3、4号機の再稼働を認める決議を可決した。両機は1月に、原子力規制委員会より、新規制基準適合性審査に係る原子炉設置変更許可に至っている。これを受け、佐賀県の山口祥義知事は、4月9日に山本公一内閣府原子力防災担当相と県庁で会談を行い、「現在の避難計画等を出発点として不断の改善に努めていく」ことを相互に確認し、11日に再稼働への意見を求める臨時県議会を招集したもの。県議会の決議を踏まえ、今後、山口知事は、4月中にも世耕弘成経済産業相とエネルギー政策全般にわたる意見交換を行い、立地県として、再稼働可否の最終的な判断を下すものとみられる。
 11日の県議会開会に際し、知事は、国のエネルギー基本計画に掲げられる「重要なベースロード電源」としての原子力の位置付けを踏まえた上で、規制委員会が求めている安全性が確認され、住民の理解が得られた場合、玄海3、4号機の再稼働は「やむを得ない」との基本認識を表明している。さらに、県内5か所での説明会開催、同13か所の「御意見箱」設置、GM21ミーティング(市町長との意見聴取)などを通じ、広く再稼働に関する意見を求めたほか、県独自の専門家委員会で、両機の審査結果について、「運転に当たり求められるレベルの安全性が確保されていること」を確認できたことを報告した。
 13日の本会議では、自由民主党他が提出した玄海3、4号機再稼働の必要性を主張する決議案が、賛成多数で可決された。本決議案では、既に再稼働に至っている川内1、2号機、伊方3号機を含め、重大事故に備えた取組状況を現地視察により確認したとしており、現状のエネルギー情勢や地球温暖化対策の観点からも「当面は原子力発電に依存せざるを得ない」と述べている。
 この他、議会には、福島第一原子力発電所事故による住民不安の高まりなどを訴え、再稼働に慎重な姿勢を示す決議案が2件提出されたが、いずれも否決された。