原電がエクセロン社と合弁会社設立、英ウィルヴァ・ニューウィッドの運転・保守支援に向け
日本原子力発電は4月13日、米国大手電力のエクセロン社と、合弁会社「ジェクセル・ニュークリア」(ジェクセル社)を設立したと発表した。新会社は、日本の商業用原子力発電のパイオニアである原電が長年の運転経験から培ってきた技術力と、エクセロン社の優れた安全性と高い稼働率を実現させる運転管理モデル(ENMM)を活用して、英国ホライズン社がアングルシー島で開発を進めるウィルヴァ・ニューウィッド原子力発電所計画に対し、運転保守に係るアドバイザリー業務を実施する。ジェクセル社の社長には原電常務取締役の肥田隆彦氏が就任。新会社設立について、原電社長の村松衛氏は、英国から輸入した炭酸ガス冷却炉(GCR)に始まり、BWR、PWRと、炉型の異なる発電所の運転経験などを積んできた同社の経験をあげた上で、「大変うれしく思う。パートナーであるエクセロン社と力を合わせ、当社のノウハウを活かして、着実にこのプロジェクトを支援していく」などと述べた。原電が先般発表した2017年度の経営基本計画には、本プロジェクトを積極的に支援していく考えが明記されている。
一方、エクセロン社CEOのクリストファ・クレイン氏は、「ENMMは世界の原子力発電運営のゴールドスタンダード」と同社の強みを訴えかけたほか、「ともに原子力発電所の新時代を築けるよう顧客を支援していく」とも述べ、原電との合弁事業に期待を寄せた。
ホライズン社は、英国の新規原子力発電所建設を手がける日立製作所の子会社で、ウィルヴァ・ニューウィッドのプロジェクトでは2020年代前半のABWR運転開始を目指している。今回の合弁会社設立について、ホライズン社CEOのダンカン・ホーソーン氏は、「新たな先進の原子力発電事業者へと成長するために、世界の原子力産業における経験を有するジェクセル社のみなさんと一緒に仕事をすることを楽しみにしている」などと、歓迎のコメントを発表した。