日立GE他が原子力発電所用の空冷式冷凍機ユニットを開発、耐震性と信頼性を向上
日立GEニュークリア・エナジーと日立プラントコンストラクションは7月20日、原子力発電所の重要機器機械室や電気品室などで用いられる空調設備用冷凍機として、安全重要設備に求められる耐震性と大規模自然災害によるシビアアクシデントを考慮し、信頼性の向上を兼ね備えた空冷式冷凍機ユニットを開発したと発表した。水冷式と異なり冷却水設備が不要で、汎用機をベースとすることなどから、設備規模や製作納期の縮小によるコスト削減や速やかな故障対応もメリットだ。本空冷式冷凍機ユニットは、従来の標準構造に独自の補強を施すことで強度が向上し、原子力発電所に必要な耐震性を有しているほか、水冷式に比べ冷却水設備などが不要なシンプルな構造で独立性を向上しており、自然災害や火災・内部いっ水・停電時の信頼性向上を図ることができる。また、一般車両に搭載する可搬型仕様にも対応可能で、原子力発電所用の空調設備の機器選択肢が大きく広がることとなる。
原子力規制委員会の新規制基準では、原子力発電所などの空調設備にも高い耐震性と信頼性が要求されることから、本冷凍機ユニットの開発に際しては、これらに応えるべく冷凍機の構造シミュレーション解析結果をもとに、必要な耐震補強構造を設計し、冷凍機の内外部に独自の耐震補強を行った。特に、実機検証では、耐震評価、補強、加振試験を実施して、耐震強度や健全性を確認したほか、制御機能に使用されているデジタル基板についても、電子情報技術産業協会が定める厳しい試験をクリアし、それぞれ原子力発電所に適用可能な耐震性、信頼性のある電気品対応であることを確認している。
日立GEと日立プラントコンストラクションでは、今後、様々な原子力関連施設のニーズに合わせて、本空冷式冷凍機を提案していくとしている。