2018年度の概算要求が出そろう
2018年度の概算要求が8月31日までに各府省より出そろった。
経済産業省は、エネルギー対策特別会計で前年より147億円増の8,621億円の要求額となった。資源・エネルギー関係については、「エネルギー政策に奇策なし。引き続き一丁目一番地の福島の復興を着実に進めるとともに、エネルギー利用の低炭素化、エネルギーセキュリティの強化に取り組む」との基本的方向性を掲げ、最重要施策の「福島の復興加速」では、廃炉・汚染水対策の着実な実施や原子力災害からの本格復興に向けた取組を推進すべく、前年比29%増の603億円の計上となった。また、地層処分の科学的特性マップ提示後の対話活動推進など、エネルギー政策関連で36名の定員増を要求している。
文部科学省は、原子力分野で前年より345億円増の1,816億円を要求しており、基盤研究・人材育成で46億円(前年比26%増)、福島第一原子力発電所の廃止措置に向けた研究開発で49億円(同2%増)、安全性向上研究で22億円(同8%増)、核燃料サイクルと高レベル放射性廃棄物処理処分の研究開発で427億円(同18%増)を計上した。
内閣府の原子力防災関連では、前年より99億円増の235億円が計上されており、「原子力災害時避難円滑化モデル実証事業」として新規に15億円、東日本大震災で被災したオフサイトセンターの再建として前年比約4倍の21億円を要求している。「原子力災害時避難円滑化モデル実証事業」は、原子力災害時の避難経路の多くが過疎地や山間地に立地し整備不十分であることから、モデルとなる経路を選定し、一方通行可のための信号機ソフト改修、電光標識の設置など、改善に向けた実証を行う。
環境省では、除染土壌を保管する中間貯蔵施設の整備で前年比約1.7倍の3,210億円を計上、原子力規制委員会は、前年より99億円増の661億円とともに、検査制度の見直しや人材育成強化などに対応するため63名の定員増を要求している。