原電、東海第二の新規制基準審査補正書を規制委に提出

2017年11月9日

東海第二発電所を訪れた更田規制委員長代理(2016年8月当時、原子力規制委員会提供)

 日本原子力発電は11月8日、現在、新規制基準への適合性確認の審査が行われている東海第二発電所について、これまでの審査内容を反映した補正書を原子力規制委員会に提出した。耐震設計に用いる基準地震動を引き上げ、耐津波についても防潮堤をより強固な構造に変更するなど、自然災害への対策を強化するほか、重大事故対策も拡充することとしており、今後提出された補正書を踏まえ、規制委員会での審査は大詰めを迎えることとなる。

鋼管杭鉄筋コンクリート壁のイメージ(原電発表資料より引用)

 2014年5月に新規制基準への適合性確認の申請がなされた東海第二発電所については、規制委員会で既に80回を超す審査会合や現地調査が行われてきた。このほど提出された補正書では、これまでの審査での指摘を踏まえ、基準地震動(Ss)を901ガルから1,009ガルに引き上げ、今後新たなSsに基づき主要設備への耐震評価・工事を実施するほか、防潮堤については、より強固で十分な支持性能を有する「鋼管杭鉄筋コンクリート防潮壁」に変更することとしている。全長約1.7kmの「鋼管杭鉄筋コンクリート防潮壁」については、規制委員会でも臨時会合を開き経営幹部から直接説明を求めるなど、議論となったが、地盤の液状化にも耐えられるよう鋼管杭を岩盤まで到達させて支持する構造とし、地盤改良も施す。また、安全機能を有する機器に使用されるケーブルについては、難燃ケーブルを基本とするなど、内部火災への対策をより確実にするほか、設計竜巻は最大風速を92m/秒から100m/秒に、噴火に伴う火山灰の堆積厚さは40cmから50cmにそれぞれ引き上げ、自然災害への対策もより強固なものとする。重大事故対策では、防潮堤を超える津波の襲来も想定し、安全上重要な施設の水密化や緊急時対策所の高所設置などを実施することとしている。
 東海第二発電所は、2018年11月に40年の運転期限に達するが、原電では、運転期間延長の認可申請に向け、設備の経年変化に関する安全性評価を進めているところだ。