東芝・IRID、福島第一2号機原子炉格納容器内の調査装置を開発

2017年12月25日

報道公開された調査装置(東芝京浜事業所にて)

 東芝エネルギーシステムズと国際廃炉研究開発機構は12月22日、福島第一原子力発電所2号機の燃料デブリ取り出しに向け、原子炉格納容器内を遠隔操作で調査する装置を開発したと発表した。
 今回開発した装置は、釣竿のように径の異なる重なり合った円筒が伸縮する「テレスコピック式」と呼ばれるパイプの先端に2台のカメラの他、線量計や温度計を搭載しており、遠隔操作で垂直方向120度、水平方向360度の撮影が可能なパン・チルトカメラが、ケーブルにより吊り降ろされる構造となっている。また、前回の調査時よりパイプの伸長や装置の小型軽量化を図り、ペデスタル内での到達位置が伸びているほか、カメラと照明の距離を調整することで、蒸気により視界が不明瞭な環境下でも視認性を確保する「霧対策」機能なども有している。耐放射線性は約1,000Gyで、開発に当たった技術者によると約10時間程度の調査が可能だという。
 燃料デブリの取り出しに向け、同機では2017年1~2月にも、自走式調査装置を用いた原子炉格納容器の内部調査を実施しており、ペデスタル(原子炉圧力容器下部)内のグレーチング(格子状のスノコ)の一部が脱落していることが確認されている。本装置は同日、福島に向け出荷されており、今後、現地の準備作業を経て、1月後半~2月にも2号機の格納容器内部調査に用いられる運びだ。

東芝エネルギーシステムズ発表資料(動画付き)