四国電力決算、伊方3号機再稼働により営業収益増
四国電力は1月30日、2017年度第3四半期連結決算を発表した。伊方発電所3号機(=写真右)の稼働に伴う他社販売電力量の増加などにより、営業収益は前年同期比7.5%増の5,342億円、また、2017年度売上高も、4月の公表から100億円増の7,200億円となる見通し。伊方3号機は、新規制基準をクリアし2016年8月の発電再開後、停止することなく運転を続け、第3四半期の総発電電力量は前年同期比36.8%増の40.6億kWhに達した。同機は10月に、2月終了を目途として定期検査に入ったが、12月に広島高裁による運転差止めの仮処分決定が出されている。
資源エネルギー庁が10月にまとめた今冬の電力需給見通しによると、12~2月の四国エリア(四国電力に新電力を加えた供給区域)の最大電力需要は各月とも477万kWなのに対し、供給力は最小の12月でも514万kWで、電力の安定供給に最低限必要な予備率3%を十分に確保できるとしている。一方、四国電力では1月24日、四国エリアの冬季最大電力が508.1万kWに達し、過去最高記録を6年ぶりに更新したと発表した(供給力542万kW、予備率7%)。全国的に強い寒波に見舞われた24、25日、四国4県のいずれの県庁所在地とも最低気温が零度を下回る猛烈な冷え込みとなった。それまでの四国エリアの冬季最大電力504.8万kWを記録した2012年2月2日、四国電力では、伊方2号機が1月に定検入りし原子力稼働ゼロとなっていたが、火力発電の過負荷運転などの対策を講じ、電力需要の急増に対応した。
気温の低下による急な需要増や高経年火力への依存などから、設備トラブルに伴う供給力減少のリスクも依然高いところだが、四国電力では1月27日、運転開始から41年の阿南火力発電所4号機(石油、45万kW)で油の漏えいが発生し、当面運転停止となっている状況だ。