東京電力が風評被害払拭に向け行動計画、「ふくしま流通促進室」を設置し取組強化
東京電力ホールディングスは1月31日、福島第一原子力発電所事故による風評被害の払拭に、「これまで以上に主体性と責任を持って」取り組んでいくための行動計画を取りまとめ、本計画を具体的に実行する組織として「ふくしま流通促進室」を2月1日付で同社福島復興本社内に設置した。事故から7年近くが経過したものの、福島産品に関する正しい情報が十分に伝わらず、風評被害が続く状況を重く受け止め、閉ざされた流通経路を「ひらき」、消費者の方々が様々な場面で福島の農産品・水産品に触れる機会を「つくる」ことを目指す。
同社グループでは、これまでも福島県の産品や観光に対する風評被害の払拭に向け、首都圏の小売各社とタイアップした拡販イベント開催の他、社員食堂での県産食材の活用や社内産直市の開催を推進する「ふくしま応援企業ネットワーク」の運営などに取り組んできた。
新たな行動計画ではまず、福島の農産品や水産品を巡り明るい話題が出始めているとしながらも、「事故前の流通経路が回復しない」などと、風評被害の続く現状を憂慮し、その払拭は、「当社の独りよがりでは解決できない問題」として、今後、幅広く意見を求めながら、「ひらかれた」取組を展開していくことの重要性を強調している。その上で、(1)「ふくしま」に触れ体験する機会を増やす活動、(2)安全性に関する正しい情報の効果的なPR――に引き続き取り組むとともに、関係者の意見を踏まえ、(3)「ふくしま」の生産・流通・消費事業への関わり方について具体化を検討していく。
東京電力の福島復興本社は、2013年1月の発足から5年を迎えた。同社の大倉誠代表は、1月29日の定例記者会見で、5年間の軌跡を報告した上で、2020年を目処に福島復興本社を双葉町中野地区に移転することを発表した。大倉代表は、「事故で迷惑をお掛けした地。復興のなるべく最前線に身を置き、指導をいただきながら活動するのが一番望ましい」として、引き続き被災地に寄り添って復興に向けて全力で取り組む姿勢を示した。福島復興本社は、当初、双葉郡の「Jヴィレッジ」に設立され、その後、2016年3月に富岡町の浜通り電力所に移転し現在に至っている。