福島第一廃炉カンパニー・プレジデントの小野氏が就任挨拶、初代・増田氏引継ぎ「安全・着実に」
東京電力の福島第一廃炉推進カンパニー・プレジデントにこのほど就任した小野明氏(=写真、ⓒ東京電力)が4月5日、福島県内で記者会見を行い、「福島の復興と廃炉は車の両輪」と強調し、「浜通りの方々が一日も早く帰還できるよう、安全かつ着実に廃炉作業を進めていく」などと抱負を述べた。同カンパニーは、福島第一原子力発電所の安定化と廃炉・汚染水対策を戦略的に進めるため、2014年4月に設置され、初代のプレジデントとなった増田尚宏氏(現東京電力ホールディングス副社長)がこれまで、長く続く廃炉作業の礎を築くとともに、毎月の会見に臨みスポークスマンとしての役割も果たしてきた。
2代目プレジデントに就任した小野氏は、増田氏が目指してきた「安全な環境で計画的に作業を進めること」、「廃炉の実態を広く社会に伝えていくこと」の2本柱を引き継ぐ決意とともに、「人は宝。働く人なくして廃炉は進まない」と、現場で作業に当たる人たちと一体となって取り組んでいく姿勢を示した。福島第一原子力発電所長を経験した小野氏は、今回の着任について、「浜通りで再び働ける喜びと責任を痛感している」と所感を述べており、前任の原子力損害賠償・廃炉等支援機構での経験も活かしながら、「発電所が有するリスクを下げる」ことをまず念頭に置き任務に当たるとしている。
また合わせて、福島第一原子力発電所長に就任した磯貝智彦氏も挨拶に立ち、「廃炉を安全かつ着実に進めることが、地域の皆様の信頼と安心につながる」などと自身の使命を述べ、現場作業を指揮する立場から、関係者と円滑に連携が図られるよう、特にコミュニケーションに努めていく考えを強調した。