川内1号機のテロなどに備えた特重施設の工事計画が了承、新規制基準で初

2018年5月7日

 原子力規制委員会は5月7日の臨時会議で、九州電力川内原子力発電所1号機に係るテロなどに備えた「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の工事計画を了承した。2013年7月に施行された新規制基準で新たに設置が要求されているもので、工事計画了承はこれが初めてとなる。
 同機は2015年8月に、先陣を切って新規制基準をクリアし再稼働しているが、特重施設の設置はプラント本体の工事計画認可(2015年3月18日)から5年間の猶予期間が設定されており、運転を継続するには正式な工事計画の認可を経て2020年3月までに整備を完了させる必要がある。

特定重大事故等対処施設のイメージ(原子力規制委員会資料より引用)

 特重施設は、意図的な航空機衝突といったテロ攻撃を想定し、大規模な損壊で広範囲に設備が使えない事態でも原子炉などを冷却できるよう、可搬型設備のさらなるバックアップとして整備するもので、原子炉格納容器への注水機能や電源設備、通信連絡設備の他、これらの設備を制御する緊急時制御室を備え、既存の中央制御室を代替する。
 九州電力では、川内1、2号機について、2015年12月に特重施設の審査(設置変更許可)を規制委員会に申請し、2017年4月に許可取得後、2019年度内、それぞれ3段階にわたり工事計画の認可を申請した。
 特重施設に関しては、川内2号機の他、関西電力高浜1~4号機、四国電力伊方3号機で工事計画認可の審査が進められているところだ。