更田規制委員長と西川福井県知事が意見交換、「もんじゅ」廃止措置の監視体制など

意見交換を行う更田規制委員長(手前)と西川福井県知事
全工程およそ30年に及ぶ「もんじゅ」の廃止措置は今後、その第1段階として原子炉からの燃料体取り出しが計画されているが、これに関して西川知事は、所管官庁たる文部科学省との協議や現地の監視体制強化などを更田委員長に求めた。さらに、知事は、米国やフランスの原子力規制当局の実態と比較しながら、原子力規制庁職員の中央集中を指摘し、「事故・トラブルが起きるのは現場。未然に防ぐには日頃から現場を厳しく監視する必要がある」として、「現場主義」の徹底を強調した。
これに対し、更田委員長は、「もんじゅ」の廃止措置について、炉心に燃料がある状態、ナトリウム冷却炉といった通常の原子力プラントとは異なる特殊性を踏まえた上で、「キチンと監視していく」ことを明言した。また、「現場主義」については、「優秀な人材確保は産業界のみならず規制当局にとっても重要な課題」と述べ、単なる人員の増強だけでできるものではないことを示唆した。更田委員長は、今回の意見交換も踏まえ、30日に山中伸介委員とともに「もんじゅ」を視察する予定だ。
さらに、新規制基準適合性に係る審査が長期化していることに関して、西川知事は、「地元の経済・雇用対策が遅れ、大いに迷惑を被る」などと苦言を呈し、スケジュール感も持ちながら審査が進められることを求めた。これについて、更田委員長は、「審査のプロセスは事業者との共通理解が必要。事業者を『大人扱い』しキチンとした関係を築き、自らの安全性については自らの言葉で語れるようにならねばならない。『規制当局の言われた通りにやればよい』というのは、安全性向上を図る上で極めて危険」と述べ、審査については、経済の観念とは切り離し、妥協しない姿勢を示した。