「もんじゅ」燃料体取り出しに向け模擬体による訓練が始まる

2018年6月28日

 日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」で、炉心からの燃料体取り出しに向けた模擬訓練が6月19日に始まり、模擬燃料体10体を仮置場から新燃料貯蔵ラックへ移送する「搬入模擬訓練」が21日まで行われた。「もんじゅ」は3月末に原子力規制委員会より廃止措置計画の第1段階が認可されており、今後7月から2022年度までに燃料体取り出しを完了させ、第2段階のナトリウム機器の解体準備などにつなげていく。6月27日に規制委員会の安全監視チーム会合で原子力機構より説明があったもの。

原子力機構発表資料より引用

 燃料体取り出し作業は、炉心から燃料体を取り出し炉外燃料貯蔵槽へ移し、ナトリウムを洗浄した後、燃料池に移送するもので、これまで実績が少ないことを踏まえ、初期のうちは慎重に確認を重ねながら実施することとしている。まず、炉外燃料貯蔵槽の燃料体100体を2018年12月までに燃料池へ移送し、その後、(1)設備点検、(2)炉心から燃料体を取り出し炉外燃料貯蔵槽へ移送、(3)炉外燃料貯蔵槽から燃料池へ移送――を、概ね16か月の周期で3サイクル実施し、2022年12月までに、計530体の燃料体が燃料池に移送される計画だ。
 模擬訓練は今後、模擬燃料体を新燃料貯蔵ラックから炉外燃料貯蔵槽へ移送する「移送模擬訓練」、炉外燃料貯蔵槽内の制御棒を洗浄・収納し燃料池に移送・貯蔵する「燃料処理貯蔵模擬訓練」が予定されている。
 この他、年末を目処に完了させる二次系ナトリウムの抜き取りに向け、一時保管用のタンク(充てん容量22.5立方m×2個)が7月にも搬入される運びだ。