エネ基本計画が閣議決定、電事連・勝野会長「国の基幹政策として着実に」とコメント
政府は7月3日、第5次エネルギー基本計画を閣議決定した。2014年の計画策定から3年が経過したことから、2017年8月より総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会で検討を行っていた。同分科会では、温室効果ガス削減の国際的枠組み「パリ協定」が掲げる目標への対応に向け、2050年までの長期的将来像を議論する「エネルギー情勢懇談会」の提言も踏まえた上で、5月に基本計画の素案を取りまとめた。新たな基本計画は、2030年のエネルギーミックスの実現と2050年を見据えたシナリオ設計とで構成されている。2015年7月に決定された長期エネルギー需給見通し、いわゆる2030年エネルギーミックスの進捗について、新たな基本計画では「道半ばの状況」とみて、「3E+S」の原則の下、省エネの徹底とともに、再生可能エネルギー(総発電電力量の22~24%)、原子力(同22~20%)、化石燃料(同56%)と、エネルギー源ごとの施策の深掘り・対応強化により、確実な実現を目指すとしている。
また、2050年に向けては、「パリ協定」が掲げる「温室効果ガス80%削減」を目指して、あらゆる選択肢の可能性を追求する「エネルギー転換・脱炭素化を目指した全方位での野心的な複線シナリオ」を採るという挑戦的考え方を示している。
原子力発電については、2030年エネルギーミックスの実現において引き続き「長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源」と、2050年に向けては「実用段階にある脱炭素化の選択肢」と位置付けられた。
新たなエネルギー基本計画の閣議決定を受け、電気事業連合会の勝野哲会長はコメントを発表し、「国の基幹政策として着実に推進して欲しい」と、その意義を強調するとともに、本計画で示された原子力発電の位置付けを改めて認識し、「安全性や経済性の追求に絶えず挑戦することで、将来の新増設やリプレースに備えていきたい」としている。