Japan-IAEA原子力マネジメントスクール開講、各国若手人材の育成を目指す
原子力に係る政策・規制やプロジェクト企画・管理など、各国でリーダーを目指す若手人材を集め学ばせる「Japan-IAEA 原子力エネルギーマネジメントスクール」が7月17日、東京大学・本郷キャンパスで開講した。IAEA共催のもと、日本主導により毎年行われているもので、今回の参加者は、13か国(バングラデシュ、ブラジル、ブルガリア、中国、チェコ、日本、カザフスタン、マレーシア、ポーランド、サウジアラビア、タイ、トルコ、ベトナム)から26名(うち日本8名)。カリキュラムは8月2日までの約3週間にわたり、7月20日まではエネルギー戦略、核不拡散、安全文化、廃止措置他に関する講義を中心に行い、23~27日には場所を福島に移し、福島第一、第二原子力発電所や楢葉遠隔技術開発センターの見学、福島工業高専生との交流などを予定している。30日には再び東京へ戻り、シナリオ・プランニングによるグループ討論やプレゼンテーションを通じ、これまでの学習内容を総括した上で、修了証の授与となる。
開講式では、IAEA、東京大学工学部他からの歓迎挨拶に続き、来賓として訪れた文部科学省審議官の増子宏氏は、原子力人材育成の重要性を述べ、新規制基準をクリアした近畿大学や京都大学の研究炉の活用や世界の人的ネットワーク構築に言及した。
また、「原子力人材育成ネットワーク」の運営委員長を務める高橋明男・原産協会理事長は、研修生らに対し、マネジメントスクールを通じ多くの知識を獲得するとともに、日本での滞在を楽しく過ごして欲しいなどと期待した。高橋理事長は、「原子力において人材育成は最も重要な問題の一つ」とも述べ、マネジメントスクール開催の意義を改めて強調した。
開講式に続き、記念撮影が行われた後、岡芳明原子力委員長による講義でマネジメントスクールの3週間の課程がスタートした。