福島第一、3号機使用済み燃料取り出し開始は11月中の見通し
東京電力は7月26日、福島第一原子力発電所廃止措置の進捗状況を発表した。
3号機使用済み燃料プールからの燃料取り出しに向けては、燃料取扱設備のクレーン制御盤で発生した不具合について機器を交換した上で、7月14日から試運転を再開しており、今後、8月のお盆明けから模擬燃料を用いて一連の遠隔操作を行う実機訓練を実施する。訓練とともに、プール内の小がれき撤去を進め、燃料取り出しは11月中に開始される見通しで、作業の習熟も考慮し、がれき衝突による変形のない新燃料など、リスクの低い燃料から順次行う。同日福島県内で記者会見を行った福島第一廃炉推進カンパニーの小野明プレジデントによると、2020年度中には燃料取り出しを完了したいとしている。
また、燃料デブリ取り出しに向けては、1~3号機それぞれ、原子炉格納容器(PCV)内部のさらなる調査を検討しており、2019年度には、1、2号機PCV底部の堆積物の少量サンプリングを実施する計画となっている。採取したサンプルは、日本原子力研究開発機構の研究施設などで分析を行う。1月に実施したPCV内部調査により燃料デブリ落下経路の見通しが示された2号機では、2018年度下期にも、同じガイドパイプで先端ユニットを変更した調査装置を投入し、再度調査を実施する計画だ。3号機では前回使用した水中遊泳調査装置を活用した詳細調査が検討されている。中長期ロードマップでは、2019年度中に初号機の燃料デブリ取り出し方法確定を目指している。