岡原子力委員長「年々定着してきた」、原子力エネマネジメントスクールを評価
原子力の政策・規制組織などに携わる各国若手リーダーの育成を目的とした「Japan-IAEA原子力エネルギーマネジメントスクール」(東京大学、福島・茨城)が7月17日~8月2日の約3週間にわたり行われた。IAEAと共催し、日本主導で毎年夏に開催されているもので、日本を含む13か国から26名が参加し、講義やグループワークの他、福島第一、第二原子力発電所の見学、福島高専の学生との交流などを通じ幅広く学んだ。9月4日の原子力委員会定例会議で、本スクールの実行委員長を務める上坂充氏(東京大学大学院工学系研究科教授)がマネジメントスクールの概要について報告した。上坂氏は、今回の特徴として、IAEAのe-ラーニングシステム導入によるカリキュラム標準化、学習履歴をポイント化し継続的研さんを促す「CPD(Cotinuing Professional Development)ポイント」(日本原子力学会が管理)などをあげた。また、緊急時のリーダーシップに関する講義では、前回に続き、東日本大震災時に福島第二原子力発電所で指揮を執った東京電力副社長の増田尚宏氏を講師に招いたことを強調した。一方、今後の施設見学先としては、再稼働したプラントを含めることなど、IAEAより見直しの要請があったとしている。
これを受け、自らも開講式・講義に臨んだ岡芳明委員長は、日本主催で5回目となったスクールについて、「年々定着してきた。大学・研究機関、産業界との協力で運営されており非常に素晴らしいと思う」と評価した。この他、委員からは、インターネットでの講義配信や研修資料の公開などを通じた国内の高等教育への反映、「CPDポイント」の周知を求める意見があった。